馬は幸せにしてくれますか?
どのレースにも喜びが存在しています。1頭の馬が我々に与えてくれる喜怒哀楽は、計り知れないほど大きいものです。賞金や格に関係なく、どんなレースにも「勝利」の2文字は存在します。
地方競馬の片隅で厩舎を開業した私ですが、馬に携わってから今まで、共に過ごした馬の勝利の際は、どんなレースでさえ心が踊りました。この喜びを、より多くの人と共有したい。勝つという楽しみに向かい、多くの人と歩きたい。この気持ちが私の調教師としての根底にあります。
とはいえレースにおいて勝利できる馬は1頭のみ。簡単なことではありません。
思い通りにいかず、考え、悩んだ経験は数知れません。言葉の通じない相手に問いかけをします。
その馬の事をいろいろな角度から考え、どうしたら勝てるのかを模索します。そしていつの日かその先にある勝利。それまでの辛かった事が帳消しになる瞬間です。きっと馬は幸せにしてくれます。
私の調教や飼養管理についての考え方は非常にシンプルで、馬に合わせたことを馬にしてあげる、という事の1点です。地方競馬という環境の中で、その馬の置かれている状況を見極め、最適な調教や飼養管理を行っていくということです。「手法」という切り口で見れば、シンプルなものだけではありません。
馬も人と同じく、個性も体質も様々です。その馬のその時の状況に合った事を施していける「ノウハウ」や「アイデア」の多さが鍵となります。馬をよく観察し理解し、様々なステージに向け導いて行く、そのためにたくさんの受け皿を用意して馬を受け入れます。
調教や飼養管理が多様化している現在、世界中で日々様々な事が取り入れられています。
我々も広い視野でそれらにも目を向け、より多くの馬に対してベストな状態を作っていけるよう努力します。馬、そしてオーナー様の多様なニーズに応えられる柔軟なスタイルを土台とし、共に「勝利」を目指します。